2017-06

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春を待つ手紙

 何事かについて何かを言いたいのに、言葉が出ないときというのがあるみたいだ。判っているのに、言いたいことはあるのにも関わらず、何も言えない感じ。何でかと考えてみた。

 きっと、対象が余りに近かったり、逆に遠すぎたりするからだ。自分の思いが届くちょうどいい範囲でなければ語れないことというのが有るみたいだ。それがすべてじゃないけど。

 遠ければ、近づく努力をすればいいんじゃないかと思う。少しづつでも、近づく努力はできると思う。頭で考えてあれこれ試みていくうちに、不思議と、近づいているといる実感が湧く。そうすると、なんとなく、言葉が出てくる。その言葉がまた距離を近づけてくれる気がする。

 けれど、近すぎる場合は厄介だ。突き放すなり切り離すなりしてからじゃないと、語れない。

 自分を切りつけると同じような痛みだってあるかもしれない。

 ここでいつも思うのが、切り離すことが必要なのかってこと。

 できそうもないなぁと思えることもある。そういうときは黙るしかないのかも。

 もちろん、自分を遠ざけておくって手もある。

 さて、唐突に引用。

 拝啓
 フランスでの最近の事態について私の書簡を重ねてご熱心にお求め下さったこと、恐縮に存じます。私の所感など御懇請戴くほどの価値があるとは、私自身思ってもおりません。それはまったく取るに足らないものであり、お伝えするかしないかについてとやかく心を砕くほどの代物ではありません。最初にそれをお望み戴いたとき私が躊躇ったのは、貴方の――本当に貴方一人だけの――ためを考えてのことでした。貴方に宛てて認めさせて戴いて結局はお送りすることになった最初の御手紙の中でも、私は特定の人々の立場から書いたり、またその人々のために書いたのではありませんでした。以下でもそうする積もりはありません。私には誤謬もありましょうが、それは私自身のものであって、私に向けられる世評だけがそうした誤謬に対する回答となるのです。

フランス革命の省察 エドマンド・バーク 半澤考麿訳
みすず書房版 第一部 冒頭より


 これは保守主義の父と呼ばれるイギリスの文人エドマンド・バークが遺した言葉。フランス革命の騒乱を徹底的に批判し、穏やかかつ公正な言葉でイギリスの有るべき姿を示し続けた人物だった。

 現在のアメリカで保守主義といえばバーク主義であるとも言われ、バークのこの著書は当時から現在に至るまで保守思想の淵源ともいえる影響力を保ってる。

 そんな豆知識今はどうでも良くて、バークでさえ、自分を遠ざけて、自分の愛する国の人々を遠ざけて語ったのかもしれない。それが、あの熱い言葉になったんじゃないか。

 あの著書が誰かの立場を代弁して書かれたのなら、これほどの影響を後世まで与えはしなかっただろうな。

 ということで、引用は笑えるくらい大げさな話だが、ちっぽけなブログだって、何かを批判するスタンスならちょっとはそういう矜持を保ちたい。

 ただね、身を切るようなことって、辛いのですよ。

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