2017-11

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フォーリングエンジェル

先日の登攀で、久しぶりに派手な落ち方をした。

良く行く人工壁で、ルートには慣れている。難易度もさほどではない。ルート上ほぼ1メートルごとにプロテクションを付けるハンガーが設置されているから、そのぶんを登るごとにヌンチャクを設置してロープを通す、その作業の繰り返しで完登できる。

9メートルほど登ったところで、トラブルが起きた。8メートル地点のプロテクションを取り、1メートルほどランナウト(前のプロテクションから保護なしで上に行った距離)して目の前のハンガーにクリップしようとしたとき、足が滑った。ハイシーズンのためクライマーが多く、余分なチョーク(手に付ける滑り止めの粉)がホールドに残っていた。こういう場合は驚くほどソールのフリクション(抵抗)が減る。

あっと思うまもなく落下。1メートルランナウトしているから、支持地点からさらに1メートルは落ちる。しかも、ビレイヤーはロープクリップに備えてロープを余分に繰り出していたから、その分も落下。さらに、ビレイヤーはベテランなのだが、慣れた場所でもあり、最初のプロテクションからかなり離れてロープを操作していた。そのほうが繰り出したりするのに楽だからだが、まさかの墜落に慌てたらしく、2メートルほど「横に」引きずられてロープをロック。

総墜落距離5メートル以上、プロテクションからだけで都合4メートル強の落下であった。参考までに、1メートルランナウトして落ちると通常は総落下距離は2メートルプラスアルファ。いかに無駄に落ちたか、おわかりいただけるだろうか。

落ちたのが8メートル地点だからまだ良かったが、あと3メートル低い地点から落ちていたら、ロープの伸縮率も考えると、見事にグラウンドフォール、つまり地面に落下だ。

見ていたギャラリーは肝を冷やしたという。すぐ止まるかと思った距離を超えて落ち続ける私を見て、言葉が出なかったらしい。

私は、腕に若干のロープバーン(摩擦によるやけど)を負っただけ。壁に正対して落ちたから、体勢を崩すことなく宙ぶらりんになった。別に恐怖心もなく、「また登り返すのかよ、面倒だなぁ」くらいの気持ちだった。

落ちるときと言うのは、そんなものかも知れない。

私が落ちたあと、さらに続けてクライムする仲間たち。所属するチーム内で、安全確認とリードビレイのやり方に対する態度が、それまで以上に慎重かつ真剣になったのは言うまでもない。

墜ちた瞬間、フォーリングエンジェルは微笑んだに違いない。堕ち行く天使は愚かさを笑うのだ。そして、彼女がいつも救いをもたらすとは限らない。

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